ドイツリポート 2011.8-9
H視察と取材を終えて
〜ドイツの選択、日本の選択(要旨)
一つは、情報を開示しながらきちんと議論を行うことです。もう一つは、明確な目的と目標を設定すること。最後は、いったん判断をしたならば覚悟を決めて有効な策を取って実行することです。あまりにも当たり前と言いながら実際に日本ができていないことです。
ドイツにいてひしひしと感じたのは、ドイツの国民(決してエネルギー関係者や政策担当者だけではありません)が、日本をじっと注目しているということです。地震と津波の発生と原発事故という災害への同情や日本国民の整然とした行動への感嘆という初期のことだけではありません。時間の経過とともに、その目が将来の日本へと向かってきているように感じます。これだけ大きな災害を受け、さらに史上最悪の原発事故の起こした国、そしてその国民が今後どのような道を選択しようとしているのかということを見ているのです。
ドイツは脱原発を決めました。フクシマの影響が大きかったとはいえ、すでに前政権から決めていたことですし、私が会った普通のドイツ人も口をそろえて正しい選択だと語りました。そして、それをもとに世界で最も進んだ再生可能エネルギー社会への道を走っています。その本気度はドイツという国に活気をもたらしているようにも見えます。
だからといって日本がそれをそのまま受ける必要もありません。それは日本が決めることです。
そのためには先にあげた3つのポイントが欠かせません。もう一度考えてみませんか。すべてにパーフェクトな道もなければ、誰もが得るだけで失うものがないという道もありません。耳に心地よい情報だけでなく、自ら身を削る可能性のある情報も議論のベースとして取り上げ、国民的なレベルで話し合いましょう。また、これまで形は作るが実行してこなかった「なんとなくの政策」から脱却して、決めた限りは政治と国民が一丸となって遂行することを目指すべきです。
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