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日本再生可能エネルギー総合研究所は、再生可能エネルギー普及のための情報収集と発信を行っています。

リポートREPORT

 ドイツリポート 2011.8-9

  Cドイツ版FITが作り上げた民間エネルギービジネスの雄
       〜バイオガス発電とエネルギー作物の急拡大(要旨)

 ドイツ国内の農業地域を走るとある変化に気づきます。トウモロコシ畑が圧倒的に増えたのです。ドイツ人がトウモロコシ好きになったわけではありません。拡大するトウモロコシ畑の多くは、バイオガス発電に使うエネルギー作物用としてなのです。あまり日本では知られていませんが、実はバイオガス発電は再生可能エネルギーによる発電の中でドイツ国内第2位のシェアを占めています。そのバイオガスプラントはすでに全ドイツに7000か所を数えようとしています。

 バイオガスのエネルギー利用は、本来は農畜産業から出る家畜系の糞尿や敷き藁といった廃棄物を発酵させてガスを作り、コジェネ技術によって発電や熱利用を行うものです。ところが、FITによる電力の高い政府の支援策により、まずさらにそのバイオガスプラントに投入する原料として、エネルギー作物が登場してきました。とくに多い品種がトウモロコシです。一回限りの収穫ですが収量を増したハイブリッド種子を生産する企業が急成長して、エネルギー作物としてのトウモロコシへの畑の転作が急増しているのです。家畜飼料用のみでなく人間が食べる作物用の農地が圧迫されるという批判も起きてきました。

 当初は農家のサイドビジネスから始まったバイオガス発電は、FITによる高い買い取り価格と20年間の価格維持保証により安定的な収入が得られることで完全に独立したビジネスとなりました。投資額もおよそ1億円から2億円程度と比較的小さくて事業化が容易で、農業より確実に儲かる再生可能エネルギー事業家に転身する農家が続出しました。また現在では、家畜系の廃棄物は副原料となり、トウモロコシなどのエネルギー作物が主役に躍り出ています。

 年率15%を超える利回り、儲かって笑いが止まらないというバイオガスプラントを複数訪ねて現状を取材しました。ビジネスモデルは多様で、風力や太陽光を併設するもの、コジェネによる熱を温水として販売するケース、食品残渣を原料に加えるものなど設置場所の特性に合わせたものになっています。

(風力発電を併設したバイオガスコジェネプラント)

 

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