2012. 2. 10 ニュース特集・・・
1月23日 イタリア (Photovoltaik
Magazin)
2012年下半期は、地上設置の太陽光発電への助成金登録を認めず。
理由は、昨年、助成金枠の3億ユーロを大幅超過したため。
1月23日 フランス、ドイツ (renewables
international)
フランスでは四半期ごとにFIT買い取り価格を減額。
特に、地上設置の太陽光は11.08ユーロセント/kWhと極端に低下。
ドイツでは、年間の導入量を500〜1000MWでキャップをはめる議論が進む。
1月27日 イタリア (Photovoltaik
Magazin)
耕作用地の助成金登録も認めず。
1月30日 スペイン (Photovoltaik
Magazin)
新たな太陽光発電に対する助成をいったん完全停止。
2月 1日 スイス (IWR)
太陽光の買い取り価格を3月から10%削減することを発表。
2月 1日 イギリス (Bloomberg)
政府が来週早々にも。太陽光の補助削減内容の発表か。
2月 3日 ギリシャ (Reuter)
100kw以上の太陽光発電事業者への補助を12.5%削減。さらに6か月ごとに引き下げ。
2月3日 ドイツ (Photovoltaik
Magazin)
連邦経済相が「脱太陽光法案」を検討。太陽光発電の追加総量33.3GWでFITを打ち切るとの提案。
2月6日 各国 (Renewable
Energy Focus)
欧州各国のニュースの他、アメリカ議会が太陽光助成プログラムの延長を行わないと決定。
年明けに続く太陽光へのあまり愉快でないニュースはまだ始まったばかりとコメント。
2月 8日 イギリス (the guardian)
担当大臣らが、太陽光助成の緊急カットの正当性を訴える。
ドイツなどFIT制度を取るいくつかの国が、今年から新たなシステムをスタートさせています。スタートしたばかりのこの時期に、その変更が取りざたされたり、すでに変更が行われたりしているのです。内容は10%程度の買い取り価格や助成金のカットが多いのですが、ドイツのキャップ制度では、最大24%削減される可能性があるといいます。一方、スペインやイタリアでは制度の停止という厳しいものです。欧州だけでなくアメリカにも広がってきているのも注目されます。
これは、ご存知の通り、昨年の太陽光パネルの暴落に近い値下がりで、急激に施設整備が進んだことへのリアクションです。施設増加が爆発的だっただけに、政府の調整もあわただしいものにならざるを得ないと言えます。
2月6日付のRenewable Energy Focusが網羅的にわかりやすく全体像をとらえています。
ここで1点確認しておきたいのは、各国政府とも太陽光発電を一定の量まで増やすという目標そのものについて変更を行なっているわけではないことです。太陽光施設の市場価格の下落速度を読み切れなかったため、太陽光発電拡大の手段としての制度の修正を行ったということです。
これについては、イギリスのクオリティペーパー、ガーディアン2月8日付けの記事が象徴的です。
「大臣たちの議論は以下に尽きる。小規模の太陽光発電の助成をカットする行動を素早く取らなくてはならなかったのは、昨年太陽光パネルの価格が一気に半分になってしまったからである。それは、政府が制度設計をした段階で予想していた速度をはるかに超えていた。」
それにしても各国政府のあわてぶりは、FITなど助成制度の設定がいかに難しいかということを表しています。
これから買取り価格などFIT制度の詰めを行う日本にとっては、他山の石でしょう。導入に後塵を拝した分だけ目の前の教訓をもとに制度の設計がより正確にできるというものです。あえて運がいいと言います。間違っても、手段の修正と目標の修正を取り違えた議論をしないよう願うばかりです。
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